ANK自己リンパ球免疫療法

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はじめに

体内の免疫細胞の中で実際にがん細胞を攻撃するのはNK細胞とT細胞の二種類(他は両者の派生形とか中間的なもの)ですので当院ではがん治療として二種類の免疫細胞療法を実施しています。
NK細胞を用いるANK自己リンパ球免疫療法(ANK療法)とT細胞を用いるCTL療法です。

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ANK療法とCTL療法の治療の内容

どちらも患者さん本人の血液からリンパ球を分離し、京都にある専用培養センターで培養し、患者さんの体に点滴で戻すものです。
沢山の免疫細胞を集めるために患者さんの血液を少しずつ取り出して専用の装置を通してリンパ球成分を分離して採取します。延べ5~8リットル(5000~8000ml)の血液を体の外に循環させることになりますが、血液の成分の大半はそのまま体内に戻しますので血液が減ってしまう心配はありません。リンパ球も血液の外に沢山いますのですぐに全身から血液に補充されます。分離したリンパ球は人の手で京都にある専用細胞培養センターに運びます。
培養後の細胞は丈夫になりますので人の手で運ぶ必要はありません。培養センターでは一度に1クール分か2分の1クール分の培養を行い、治療日程に合わせて点滴できる様に凍結保管しておきます。そのため、抗がん剤等で免疫細胞が傷む前に培養を済ませておき、抗がん剤投与が終わってからや、休薬期間の間を利用して培養細胞を点滴で戻すなど自在のスケジュール調整が可能です。
当院ではリンパ球を分離採取する専用装置を設置しておりませんので1クールにつき1回か場合によっては2回、東京や京都にある他院に行ってリンパ球を採取していただく必要があります。リンパ球の分離採取がご無理な方はANK療法の場合は注射器で血液そのものを採取する全血採血から細胞を培養することも可能です。但し、採血しただけ体の中の血液が減ってしまいますし、採取できるリンパ球も桁違いに少なくなりますので可能な限りリンパ球分離採取がお勧めです。
なおCTL療法の場合はリンパ球分離採取のみです。T細胞の中でがん細胞を攻撃するものはほんの僅かしかいませんので沢山のリンパ球を採取しないと治療の役には立たないからです。

ANK療法ではリンパ球の中のNK細胞を活性化しながらNK細胞だけを増殖させます。人体から採りだした「野生型」のNK細胞の活性を高めれば攻撃しないがん細胞がみつかっていません。(研究用に特殊な選別をしたNK細胞は攻撃しないがん細胞がいくつか知られています)静脈点滴により体内に戻すことでNK細胞が直接、がん細胞を攻撃することと、大量の免疫刺激物質を放出することで体内に存在する活性が下がっているNK細胞に活性化を促すことを期待して治療するものです。その代わり、免疫刺激による発熱などの免疫副反応を伴います。
1クールは原則12回の点滴を週2回のペースで続けて行うのですが、患者さんのご容態やご都合、他の治療の日程などによって投与間隔を調整したり、一回の点滴細胞数を分割して投与することなど実際の治療スケジュールは医師と相談しながら決めていくことになります。培養にかかる期間は原則3週間ですが、これも患者さんの状態によって2週間から4週間の間で培養期間を調整することがありますので詳しくは個別に医師から説明させて戴きます。

CTL療法を行うにはANK療法よりもいくつも条件があります。T細胞はNK細胞よりも簡単に遥かに早いスピードで増えるのですが、ほとんどのT細胞が、がん細胞を攻撃しません。そこで手術後の生きている腫瘍や腹水中を浮遊するがん細胞、生きているものが無理な場合は標本化された腫瘍など、ご本人のがん細胞を標的としてご提供いただき、標的がん細胞と「型が合う」特殊なT細胞だけを増殖させます。生きているがん細胞が入手できれば実際にがん細胞を攻撃することを顕微鏡で確認できるのですが、死んでいるがん細胞は抗原性が低下し、ペプチド等の人工抗原では実際にがん細胞を攻撃するT細胞を誘導できませんので当院では基本的に生きているがん細胞が入手できる場合にCTL療法をご検討いただいております。但し、T細胞は少しでもがん細胞の型が違うと見向きもしませんので、もう体内には同じ型のがん細胞が残っていないことがあるかもしれません。また、T細胞はがん患者さんの体内に戻すとすぐに強い免疫抑制(がん細胞が免疫細胞を眠らせるために強い抑制をかけています)によって活動しなくなりますので単独で投与しても効果はないことが米国政府研究機関NIHなどの研究によって明らかにされています。そのため、CTL療法は免疫刺激をかけていくANK療法と同時にしか行いません。CTL療法の培養費は無料です。

もっとわかりやすく説明してほしいという方は、図表やマンガ等をつかった説明がありますので、こちらをご覧ください。
詳しい説明はこちらへ

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副作用について

免疫細胞療法の場合は副反応というのですが薬に用いられる副作用という言葉を使わせていただきました。ANK療法の場合、点滴の度に発熱があります。40度位になることもありますが発熱の仕方は人によって、また同じ人でもその時々によってまちまちです。ただし初回点滴の際に強い反応がでやすく、発熱の波が何日か続くこともあります。2回目以降は点滴した日の内に熱が下がる場合がほとんどです。人によって激しい悪寒がくることがあります。悪寒はすぐに治まります。全く悪寒がない方もいらっしゃいます。その他、風邪をひいた時の諸症状に似た症状など様々な免疫副反応がでることがありますが、これらは体内に戻された免疫細胞が放出する免疫刺激物質によるものです。いずれも一過性のものです。解熱剤は免疫を下げる作用がありますので可能な限り使用せず、水分補給をしっかり行いながら保冷剤のようなものを使って体を冷やします。

CTL療法の場合、T細胞(特にCTLと呼ばれる攻撃型のT細胞)には免疫刺激能力がほとんどなく、免疫副反応もないと考えられますが、実際にはANK療法と同時に行いますので、ANK療法と同じ副作用とお考えください。

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費用について

ANK療法を1クール、12回の点滴を受けられる場合の費用はおおよそ400万円を少し超える額になります。2分の1クールの場合は概ねその半分の費用になります。CTL療法を加えてもCTL療法の培養費は無料ですので若干の手数料以外ほとんど追加の費用はかかりません。 費用は培養費がほとんどを占め、リンパ球を分離採取する費用(採取する他院にお支払いただきます)、採取されたリンパ球を搬送する費用、点滴をする費用、他に初回面談費用や検査代などが若干かかります。詳しくは明細をつけておきますがご不明な点はお問い合わせください。
費用明細はこちらへ

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