幹細胞移植治療

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はじめに

当院は日本ペインクリニック学会指定研修施設に認定をされております。 最近では疼痛性疾患に対する治療法が確立し、薬物は日々進歩をしており従来の治療では痛みのコントロールできなかった病態に対してもかなりの成績をあげられるようになりました。
しかし神経損傷後の痛み、難治性の脳脊髄液減少症などに対しては治療をしていても手詰まりになってしまうことが多く大変悩んでおりました。
明らかな損傷部位は当然のことながら、CT・MRIなどの画像には写らない部位を含めて『損傷してしまった部位が元通りに修復されれば症状の改善が期待できるのではないか!』という期待から私たちの幹細胞移植治療が始まりました。
実際に治療をしていくとさまざまな病態に効果があることがわかってきました。
なお本治療は自分の細胞を使用するため拒否反応もなく治療が行えます。
当院では国内外の研究所と実験を繰り返し、その安全性の確立に努力をしてきました。
また、院内に倫理委員会も立ち上げてます。
従来の治療で難渋している方はぜひご相談ください。

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再生医療とは

再生力のある生物としてプラナリアとイモリが有名です。しかし再生機構が異なります。プラナリアは全身に万能細胞(何にでもなれる細胞)が存在し切り口で万能細胞が増殖、分化し失った部分を再生します。

(プラナリアをメスのような物で切断すると、それぞれの断片が1週間ほどで完全な個体に再生します)

余談ですがイモリにはプラナリアのような万能細胞は存在しません。 イモリではABという異なる分化をとげた2種類の連続する細胞があったとして、Aが失われたとするとBが『分化転換』をしAを作ります。『分化』とは万能細胞から固有の性質をもった細胞に変化することです。『転換』とは極端な例ですが手を作っていた細胞が足を作るようになる、つまり分化の種類が変わることです。

(イモリは肢1本が30日で再生します)

ヒトにもプラナリアほどではありませんが、体を再生する能力があります。 例えば垢(アカ)。垢とは数十日のサイクルで脱落する皮膚表面の表皮細胞ですが、脱落した分は再生され、表皮は薄くならずに一定の厚さを保っています。転んだときにできるすり傷や切り傷も数週間で治りますし、骨折は数カ月で骨が繋がり、つめや髪の毛も切ればまた伸びます。
私たちの体を形作っている60兆個の細胞は1日で3000億から7000億個入れ替わります。その組織により入れ変わる速度が異なります(下の表を見てください)が単純計算ですと1日あたりステーキ1枚分(約200g)の細胞が入れ替わります。

体の入れ替わる速度

入れ替わりの早い成分 入れれ変わりの遅い成分
1カ月で約40% 約1年
心臓 22日
血管 90日
胃の粘膜 3日
腸の微絨毛 1日
肝臓 1カ月で約96% 約1年
腎臓 1カ月で約90% 約1年
筋肉 1カ月で約60% 約200日
皮膚 1カ月
血液 100から200日ですべて入れ替わる
幼児期:1年半 成長期:2年未満 成人:2年半 70歳以上:3年

このようなヒトの再生能力ですが、限界があります。手足どころか一本の指すら再生することはできません。
断片から体全体を再生できるプラナリアと指一本再生できないヒト。この差のカギを握るのは『幹細胞』と呼ばれる細胞です。

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幹細胞移植治療とは

『幹』という文字は樹木の幹を意味します。樹木では幹が中心となり枝や葉が伸びますが、実は細胞も同様に幹となる細胞から様々な種類の細胞が派生し生まれてきます。
つまり細胞とはこの幹となる細胞のことで、幹細胞からいろいろな種類の細胞が生み出されます。
プラナリアの体にはこの幹細胞が体全体に散らばっていて、切断されると体中の幹細胞が筋肉や神経などを作る細胞になり、失った部分を再生します。
幹細胞が何らかの機能を持つ細胞に変化しプラナリアの幹細胞のように体を構成するすべての細胞に分化することが出来る性質を『全能性』と呼んでいます。

ヒトでも幹細胞は体全体に散らばっていますが、それら幹細胞は全能性を持っていません。
しかし卵子と精子が合体し一つになった受精卵は全能性を持ち、全能性は分裂を重ねるうちに失われます。分裂が進むにつれて徐々に専門性を持つ細胞に分化し、最終的には270種類にも及ぶ細胞へと専門化するのです。
この分化の過程で、体の場所ごとに異なる種類の幹細胞が作られます。例えば皮膚には皮膚の、腸には腸の幹細胞があります。
これらヒトの幹細胞はプラナリアの幹細胞のように全能ではないため、皮膚の幹細胞は皮膚の細胞にはなれますが、筋肉や神経の細胞にはなれないのです。このため、ヒトの体の再生には限界があるのです。
逆に言えば、再生医療の実現のためには、全能性のもしくは全能性に近い細胞を作り出せばよいのです。全能性を有している細胞は受精卵、胎児性がん細胞、胎児性幹細胞がありますが倫理的問題もありこれらを臨床の場で使用することはできません。またiPS細胞は研究段階で臨床の場でヒトに使用することは現在はできません。当院では部分全能性ではありますが、幹細胞として『間葉系幹細胞』を利用しております。『間葉系幹細胞』を患者さまから採取し培養後に患者様の体に点滴や局所注射で戻す治療を幹細胞移植治療と呼んでおります。

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間葉系幹細胞の採取部位

間葉系幹細胞の採取部位として骨髄、脂肪が二本柱となります。とにかく安全に採取できる部位であること、手に入れやすいことが大切です。最近では抜去した歯からも幹細胞の培養が可能となっております。他に幹細胞が存在する場所として臍帯、臍帯血、胎盤、羊膜、月経血、滑膜があります。
『採取した部位によって幹細胞は何の細胞に分化しやすいか?』に関しては諸説あります。当院では安全に採取できる部位と患者様の病態とを今まで蓄積されたデータを照らし合わせてどこから採取するのがベストか患者様と相談し採取部位を決定します。

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治療の流れ

1. 予約
まずはカウンセリングの予約をお願いします。
Tel:029-525-5200  email:dr@kishi.or.jp
2. カウンセリング
今までの検査データ(採血、画像検査を含む)を可能な限り持参してください。
主治医からの紹介状はある方が望ましいです。
カウンセリング後に治療をするかどうかすぐに決定できない場合がほとんどです。
この場で決定する必要はありません。自宅でゆっくり考えてください。
3. 幹細胞採取
実際に幹細胞治療を細胞採取はどこの部位からの採取であれ休憩時間を含めると約2時間かかります。
4. 培養
培養に3~4週間かかります。
5. 治療
培養した幹細胞をお体に戻します。1度に大量の幹細胞を戻すより少量の幹細胞を数回に分けて戻す方法の方が成績はよいです。
当院では2週間おきに3回お体に戻す方法をお勧めしております。
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治療費について

  • 血管系疾患:心筋梗塞、脳梗塞、腎不全、痴呆、糖尿病性難治性潰瘍、バージャー病
  • 神経系疾患:痴呆、脳梗塞、パーキンソン病
  • 整形外科的疾患:リウマチ、変形性関節症
  • 糖尿病、肝硬変、免疫性疾患

また交通事故後遺症(難治性脳脊髄液減少症)、線維筋痛症慢性疲労症候群にも有効なのではないかと考えております。

いずれの疾患も一般治療が無効な場合にはご相談ください。

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問題点

幹細胞治療は臨床例が少なく、どの病気に適応あるのかまたどのような病期に治療をしたら効果的なのかわかっていないのが現状です。
また急性の脳梗塞、脊髄損傷など早い時期に幹細胞治療ができれば効果的な病態にも培養するための時間を要するので緊急での対応ができません。
同じ病気でもAさんには効いたがBさんには効かないという効果の不平等性があることも事実です。 私たちは臨床のデータを蓄積しフィードバックする義務があります。またこれからも基礎研究を継続するの必要性もあります。
最後に費用 ですが人の手を使い運び、培養するので高額になってしまいます。

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