FAQ

高血圧についてのQ&A

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診察室血圧と家庭血圧について教えてください
血圧は、病院で測る場合と、家庭で測る場合で、数値が異なることがわかっています。病院と家庭の数値では、10~30mmHgもの差があることがあります。
高血圧の方に限らず一般の人でも、病院で測ると家庭よりも高い数値が出ることがわかっています。
家庭ではリラックスして測定できますが病院ではどうしても緊張したりして血圧値が上がってしまうようです。
病院で測定した血圧は「診察室血圧」または「随時血圧」と呼ばれ、家庭で測る「家庭血圧」に比べると、収縮期血圧で20~30mmHg、拡張期血圧で10mmHgも高くなる傾向にあります。
家庭血圧について日本高血圧学会では、135/85mmHg以上を高血圧とし、125/80mmHg未満を正常血圧の基準として採用しています。
逆に家庭血圧の方が診察室血圧より高い場合、「仮面高血圧」または「逆白衣高血圧」と呼ばれます。この場合家庭血圧を測定することは特に重要です。
血圧計を購入したいのですがどのようなタイプの血圧計がよろしいのでしょうか?
最近では、様々なタイプの血圧計が比較的手頃な価格で発売されています。測る方法も上腕だったり手首だったりと様々です。
正しく測定するためには、どのようなタイプを選べばよいのでしょうか。血圧の測定は、上腕で行うのが一般的です。
手首や指先で測定するタイプのものでは正確な測定ができないことがあります。上腕部を測る、操作が簡単なタイプのものがおすすめです。
また、24時間自動で記録される血圧計もあり、専門的施設では使用されています。1日の、どの時間にどのような血圧の変化があるか知っておくことは、血圧のコントロールに役立つでしょう。
家庭血圧はいつ測定したらよいのですか?
基本的に起床時と就寝前に測定します。
病院での血圧測定は、通常座った姿勢で行いますから、家庭でも座って測定します。測定前にトイレはすませまてください。
朝は起きてから1時間以内に、座って1~2分安静にしてから測定します。朝食前、降圧薬を飲んでいる人でも薬を飲む前に測定します。
測る腕は心臓と同じ高さにします。晩の測定は、日によって食事や飲酒、入浴などからの時間が異なってもかまいません。寝る前(就寝前)に座って測ってください。
大切なことは、同じ状態、同じ方法で測り、測定を継続することです。毎日がベストですが、週数回でも継続することが大切です。
そして測定した値は必ず記録して、診察時に主治医に見せると、より適切な治療が受けられるようになります。
高血圧の薬は一生内服しないとなりませんか?
血圧が十分コントロールされたら薬を減量したり、特に軽症の高血圧の場合休薬できることもあります。
ある調査では約15%が休薬することができたと報告されていますが、休薬後も外来での経過観察は必要です。
自己判断で勝手に薬の減量や中止したりすると急に血圧が上がったりして大変危険です。
しかしながら大部分の方は生活習慣の修正のみでは目標血圧範囲にはならず、一生お薬を内服することになる場合が多いのが現状です。
お薬をのむ不便さや副作用の危険と、高血圧による心血管事故で生活ががらりと変わってしまったり、生命を落とす危険を天秤にかけると薬物治療をする方がずっとメリットがあります。
親が高血圧だと、子どもも高血圧になりますか?
両親や兄弟に高血圧症の方がいる場合は、高血圧症になりやすいと考えられています。
両親ともに高血圧の場合は約60%、両親のどちらかが高血圧の場合は約30%の確率で高血圧が遺伝するとされており、そのような場合、比較的若いうちに高血圧症になる場合が多いようです。
しかし、高血圧症になりやすい体質のほかに、生活習慣の「遺伝」、つまり味の濃いものを好む、間食が多い、寝る前にものを食べる、などといった子どものころからの家族全員の生活習慣も、高血圧症やその他の生活習慣病を引き起こす大きな要因の一つにあげられています。
血圧が高いと言われました禁酒しないとなりませんか?
仕事の疲れやストレスを解消するためにも、適量のアルコールは体に良いと考えられます。ただし、この「適量」という言葉の意味を間違えてはいけません。
少量のアルコールは血管を広げて血圧を下げますが、過度の飲酒は血圧を上げてしまいます。
また、酒のつまみには塩分が多く含まれているものがあります。さきいか、ジャーキーなど隠れた塩分に注意しましょう。

<適量の例(1日の限度)>
日本酒:1合
ビール:大ビン1本
ウイスキー:ダブルで1杯
ワイン:200cc(ワイングラス2杯)
焼酎(25度):100cc(コップ半分)
薬を飲み忘れた場合はどうしたらよろしいですか?
薬のタイプ(1日何回飲む薬か)と、飲み忘れに気づいた時間によってちがいます。

1日1回飲む薬:飲むべき時間から数時間以内であれば,気づいたときすぐに服用しましょう。
気づいたのが半日以上たった後であれば、その日に飲む分はとばして、次の日からいつもどおりの時間に1回分を飲みます。2回分をまとめて飲んではいけません。

1日2回飲む薬:飲むべき時間から3~4時間以内であれば、すぐに服用しましょう。
次の服薬時間が2~3時間後にせまっているときは次回の服用からはいつもどおり1回分を飲みます。2回分をまとめて飲んではいけません。
薬は血圧が高い時だけ飲めばいいのですか?
絶対に駄目です。
薬で血圧が下がり、「もう高血圧は治った」、あるいは「頭痛、かたこりなどの症状がなくなった」「副作用が怖いから」などの理由で薬を飲むのをやめてしまったり、ご自分の勝手な判断で日によって薬をのんだり飲まなかったり、飲む量を変えたりしてはいけません。
血圧の薬は「メガネ」のようなものです。メガネをかけているときは良く見えますが、メガネをはずすとすぐ見えなくなってしまいます。
血圧の薬も同じように、飲んでいる間は血圧が下がっていても、飲むのをやめると血圧がもとに戻ってしまいます。
そればかりでなく、薬をのんだり飲まなかったりする人は、脳卒中や心疾患で倒れる危険性が高くなるともいわれています。
薬は必ず指示どおりに服用し、副作用など不快な症状が出てきたら勝手に飲むのをやめたりせず相談してください。

高脂血症についてのQ&A

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コレステロールはどのような働きをしているのですか?
コレステロールは食事によって取り入れられる他に、肝臓や小腸で合成されています。
そして、人間の体をつくっている細胞膜の構成成分として使われます。
また、ある種のホルモンの材料にもなっています。「コレステロール」と聞くと、いかにも「悪者」というイメージがありますが、実は人間が生きていくのに必要な成分なのです。
しかしそれが多すぎると動脈硬化を進行させ、命をおびやかす物質になってしまうのです。
トリグリセライドってどんな働きをしているの?
食事から取り入れられたり、体内で合成されたりしますが、私たちが活動するためのエネルギー源になるものです。運動などをすると燃焼してエネルギーを放出します。
使われずに余ったトリグリセライドは皮下脂肪などに蓄えられます。
高脂血症に糖尿病、高血圧が一緒にあると、どれくらい危険なのですか?
心臓病を例にとっていうと、健康な人と比較して、心臓病になる確率は高脂血症、糖尿病、高血圧ともに4倍高くなります。
ですから2つが合併すると4×4=16倍、3つが合併すると32倍にも高くなります。
高脂血症の他に、動脈硬化の危険因子はありますか?
近年、動脈硬化の進行を食い止めるために多くの研究がなされてきました。
そして、動脈硬化の進展には高脂血症の他に糖尿病・高血圧・肥満・喫煙など、自分の生活習慣を見直すことで予防が可能なことが大きく関与していることが分かっています。
他には加齢(男性45歳以上・女性は閉経後)、家族(特に一親等)に動脈硬化を発症したことのある人などがあげられており、このような人はより一層しっかりと生活習慣の改善に取り組まなければなりません。
高脂血症の治療を始めたらLDLコレステロールが正常より低くなってしまいました。問題でしょうか?
総コレステロール値が正常範囲であればLDLコレステロールは低いに越したことはありません。
それにLDLコレステロール値は食事内容を脂っこいものにするかしないかで簡単に上がったり下がったりします。
運動によってもLDLコレステロールは下がります(逆にHDLコレステロールは上がります)。
しかし総コレステロール値も含め全部の脂質が低いというならちょっと問題ありです。
甲状腺機能亢進症、貧血、栄養不良、消化管からの食物吸収不良の可能性が出てきますので、もし総コレステロール値が120mg/dl未満、他の脂質も軒並み低値である場合には詳しい検査が必要になります。
コレステロール値を下げすぎると癌や脳出血を起こしやすいと聞きましたが、本当ですか?
コレステロールの低い方では、がんの患者さんが多く、死亡率も高いという研究結果があります。しかしこれは、がんになり衰弱するとコレステロールが下がるためと考えられています。
また、コレステロールが低いと脳出血を起こす方が多いという話がありますが、これはコレステロールが低い方の中に、栄養状態が悪く、塩分の多い食事をとっている傾向があり、もろくなった血管に高血圧が加わって脳出血を起こしやすいためと考えられます。
したがってコレステロールの値とがん、脳出血との関係は、薬によりコレステロールを下げた場合にあてはまることではありません。
実際に、これまで日本を含む世界各国で行われた多くの臨床試験で、コレステロールを下げ過ぎることで、がんや脳出血が増えるという結果は出ていません。

糖尿病についてのQ&A

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糖尿病によいという健康食品は必要ですか?
一口に健康食品と言っても色々なものが有ります。これを食べれば(あるいは飲めば)糖尿病が良くなると広告しているような物は要注意です。
健康食品は薬では有りませんので、「糖尿病が良くなる。」等と広告するのはルール違反です。
いろいろな食品をバランスよく食べることが、糖尿病の食事療法の基本です。これを食べていれば大丈夫という食品は有りません。
糖尿病の治療の目標は決して血糖値を下げる事だけでなく健康で長生きすることですから、一時的に血糖が下がっても健康に害のあるようなものは避けて下さい。
最近、低カロリー食品や食物繊維を含んだ食品、不足しがちなミネラルを含んだ食品などが色々なメーカーで作られております。
糖尿病協会などでも認めているものも有りますので、信用できるメーカーのもので有れば使って見られても良いと思います。
また、総合ビタミン剤などは種類を決めて飲まれるのは構いませんが、相談してからにして下さい。薬によっては現在投与中の薬の効果を減じることも有りますので注意して下さい。
インスリンが必要と医師に言われましたが友人がインスリンはやめろといいます。
インスリンに対する誤った考えを持っている人が多いようです。インスリンの足りない人にインスリンを補充するのは、まったく自然なことです。
ホルモン補充療法と言い、他の病気でもよく行う治療法です。(インスリンは血糖を下げる作用のある唯一のホルモンです。)
他の治療法で血糖のコントロールの出来ない、ある意味で重症の糖尿病の人に、インスリン注射をせずに放置すると、合併症が急速に進みます。
気がついた時には、すでに手遅れであることがあります。残念ながら、実はこのような患者さんが多いのが事実です。
母が糖尿病です。やはり遺伝するでしょうか?
2型糖尿病の場合、親が糖尿病であれば必ず子どもも糖尿病になるとは限りませんが、家族に糖尿病の人がいない場合に比べると、糖尿病になりやすい(なる確率が高い)ことは事実です。
一方、1型糖尿病は2型糖尿病ほど遺伝しません。
遺伝するのは糖尿病そのものではなく、「糖尿病になりやすい体質」と考えられています。その体質を受け継いでも、必ず糖尿病になるとは限りません。
そのような体質に食べ過ぎ、運動不足、肥満、ストレスなど、いろいろな生活習慣が重なることで、糖尿病が発症すると考えられています。
糖尿病の発症に体質と生活習慣のどちらの影響が大きいか、については患者さんによって様々です。
低血糖の症状はどのようなものですか?また対処法を教えてください。
インスリン療法をしている人が急に激しい運動をしたり、インスリンや薬の分量を必要以上に増やしすぎたり、また薬を服用してから食事をとるまでに時間がたちすぎたりすると、血糖が下がりすぎて「低血糖」という状態になることがあります。
主な症状は「強い空腹感」「冷や汗」「手足のふるえ」「どきどきする」「めまい」などです。ひどい場合は、意識を失うこともあります。
軽い低血糖であれば、自分で糖分をとりましょう。常にスティックシュガーなど(人工甘味料はだめ)を持ち歩くようにしましょう。
また、ジュース(人工甘味料ではなく、砂糖の入ったもの)も有効です。
しかし、αグルコシダーゼ阻害剤を飲んでいる方は、砂糖ではなくブドウ糖をとるようにしましょう。手元にブドウ糖がなければ砂糖も有効です。
また、急に意識を失ってしまう場合に備えて、「わたしは糖尿病で、インスリン(または他の薬剤名)で治療中です」などと書かれたカードを常に携帯しましょう。
「空腹時」採血とは、食事後何時間経てばいいでしょうか?
検査値は、病気の有無・種類・程度以外にも、食事、運動、採血日時、体位、服薬、その他、多数の因子によって影響されます。
そこで、検査値を解釈する上で病態以外の影響をなるべく無視できるように、多くの検査については早朝・空腹・安静の状態で検体(血液・尿など)を採取するのが理想とされています。
食事をすることで、食物が消化され、腸から栄養分が吸収されますので、一時的に血中濃度が上がる検査項目があります。血糖や中性脂肪がそうです。
ひとたび食事によって血中濃度が上がると、空腹時と同じ状態に戻るまでに時間がかかります。
健常者であれば、血糖値は食後2時間で空腹時と同じくらいに戻りますが、中性脂肪は10時間以上かかります。
健康診断などで「空腹時」の血液検査を行う場合、4~5時間以上の絶食が望ましいとされます。
糖尿病の診断で糖負荷試験を行う場合や高脂血症の診断のための血清脂質測定における「早朝空腹時」とは、前日から実施までの空腹時間は10~14時間となっています。
例えば、朝9時に採血するならば、夜9時以降は、水やお茶以外の飲食物を摂らないようにします。

痛風についてのQ&A

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なぜ尿を弱酸性にしないといけないのでしょか?
尿が酸性に傾くと尿路結石を起こしやすいからです。
体内の尿酸値が高いと関節などに尿酸結晶が沈着し痛風発作を引き起こしますが、もうひとつの問題として高い確率で腎結石や尿路結石を引き起こします。
尿路結石とは尿中の尿酸結晶が集まる事で結石となり、腎臓から尿管を経て膀胱に落ちていく過程で尿管の細いところで詰まるため、臓器を傷つけたりします。
これにより疝痛という激しい腹痛に襲われたり、血尿が出たりします。
1日に尿中に排泄する尿酸量が700mg以上の人には35%、1000mgを超える人には50%という高い率で尿路結石が起こるといわれています。
また一般に血液の尿酸値が7.0mg/dlを超えると尿路結石の発症率は上昇し、8.0mg/dlになると62%の人が尿路結石を合併するという報告もあります。
尿酸はもともと水に溶けにくい物質ですが、尿が酸性に傾くと尿酸はますます溶けにくくなります。つまり結晶化しやすいということです。
しかも痛風の患者さんには肉食やアルコールを好む人が多く、尿が健康な人よりも酸性に傾きやすい傾向にあります。
このため、尿をPH6.0~7.0の弱酸性に傾ける薬物療法とアルカリ性食品を摂る食事療法を行う必要があります。
尿酸値が高い人が気を付けることは何ですか?
次の5項目をまずがんばってみてください。
(1)食事の量を制限して肥満を解消しましょう。
(2)アルコール飲料はできるだけ減らしましょう。
(3)水分を十分にとり、尿量を多くしましょう。
(4)運動は激しい運動より楽な運動を長時間行いましょう。
(5)ストレスを上手に発散してください。できればのんびりゆっくりと。
痛風が出ました。食事はどうしたらよいでしょうか。
痛風患者さんが食べてはいけないものはありません。牛肉も多くなければ結構です。アンキモやイクラ、白子などの珍味もたまに食べるくらいは大丈夫です。
それよりも大事なのは食事量です。まず、質より量の制限をしてください。大食い傾向のある人は、ゆっくりよく噛んで食べるという食事の基本を思いだしましょう。
食事量の制限ができ、体重が減ってきたら、今度は質的制限も行いましょう。痛風の人にとっては動物性蛋白を減らすことは有意義です。

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