痛風発作の原因は尿酸という物質です。尿酸はどんな人のからだの中にも一定量あって、血液などの体液に溶けて循環し、尿中にろ過されて排泄されます。
ところが、何らかの原因で血液中の尿酸の濃度が上昇して飽和濃度を越えると、からだの中に蓄積してきます。溶けなくなった尿酸はナトリウムと合わさり結晶となります。
尿酸の濃度が高い状態が続くと、この尿酸塩の結晶が関節の内面に沈着してきます。痛風発作は、尿酸塩に対してからだの防御機構である白血球が反応し、攻撃する時に起こります。
尿酸塩が関節に溜まると痛風発作になりますが、他の臓器にも溜まります。なかでも腎臓には尿酸が溜まりやすく、痛風発作のある人は腎機能に注意が必要です。
さらに、痛風の患者さんでは心筋梗塞や、脳血管障害などの生命を脅かす成人病を合併する割合も高いのです。
痛風発作の激痛は「尿酸が体に溜まっているよ、治療が必要だよ」という神様の警告と考えるべきでしょう。
ところが、何らかの原因で血液中の尿酸の濃度が上昇して飽和濃度を越えると、からだの中に蓄積してきます。溶けなくなった尿酸はナトリウムと合わさり結晶となります。
尿酸の濃度が高い状態が続くと、この尿酸塩の結晶が関節の内面に沈着してきます。痛風発作は、尿酸塩に対してからだの防御機構である白血球が反応し、攻撃する時に起こります。
尿酸塩が関節に溜まると痛風発作になりますが、他の臓器にも溜まります。なかでも腎臓には尿酸が溜まりやすく、痛風発作のある人は腎機能に注意が必要です。
さらに、痛風の患者さんでは心筋梗塞や、脳血管障害などの生命を脅かす成人病を合併する割合も高いのです。
痛風発作の激痛は「尿酸が体に溜まっているよ、治療が必要だよ」という神様の警告と考えるべきでしょう。
- ⅰ) 急性期(痛風発作)
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高尿酸血症を放置して数年経過すると、ある日突然関節に激しい痛みが襲います。これが痛風発作です。
この発作は普通1~2週間程度でおさまりますが、おさまった後、尿酸値を適正に下げる治療をしないと必ずまた再発します。
発作の起こりやすい部位は、足の親ゆびの付け根で、左右のどちらか片方に起きます。
これ以外にも肘、膝、手指、アキレス腱などにも生じることがあります。 - ⅱ) 慢性期
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きちんと治療しなければ痛風発作の間隔は次第に短かくなり、発作が完全におさまらないうちに次の発作が起こるようになります。発作を繰り返す部位では、関節の変形や破壊も起こります。
発作の部位も一ヶ所にとどまらない場合もあり、また、関節や筋肉、皮下などに尿酸結晶の塊(痛風結節)ができることもあります。
こうなるまでには、最初の発作が起こってから十数年かかると言われていますが、若くして発症した人や遺伝的因子の強い人は、尿酸値も高く、進行も早くなります。
さらに、その後も未治療のまま放置した場合、同時に進行している合併症が慢性・悪化し、腎不全や脳卒中、心筋梗塞などで死に至ることもあります。
アメリカリウマチ学会で1977年に決められた痛風の診断基準です。
- a) 尿酸塩結晶が関節液中に存在すること
- b) 痛風結節の証明
- c) 以下の項目のうち6項目以上を満たすこと
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- 1回以上の急性関節炎の既往がある
- 24時間以内に炎症がピークに達する
- 単関節炎である
- 関節の発赤がある
- 母指(足)基関節の疼痛または腫脹がある
- 片側の母指(足)基関節の病変である
- 片側の足根関節の病変である
- 痛風結節(確診または疑診)がある
- 血清尿酸値の上昇がある(7.0mg/dl以上では異常)
- X線上の非対称性腫脹がある
- 発作の完全な寛解がある
治療には3つの大きな目的があります。
痛風や高尿酸血症の治療は2003年に日本痛風・核酸代謝学会が作成した「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」に沿って次の3つの目的を持って行われます。
痛風や高尿酸血症の治療は2003年に日本痛風・核酸代謝学会が作成した「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」に沿って次の3つの目的を持って行われます。
- 痛風発作の発症を抑えるために、尿酸値をコントロールする
- 尿酸結晶の沈着に伴う合併症である腎障害、尿路結石までに進行させないこと
- 虚血性心疾患や脳血管障害の発症率を高くする誘因でもある高脂血症、高血圧、糖尿病、肥満などの生活習慣病の併発を防ぐ
痛風が起こった場合はまず第一に関節炎の治療を行います。その後痛風の根本的な原因である高尿酸血症の治療をするため、尿酸降下薬を投与します。
尿酸降下薬は血液や尿中の尿酸量を測定して病型(産生過剰型か排泄低下型)を判断し、それに合ったものを選択します。
投与は少量から始め、3~6ヶ月かけて徐々に増やしていき、薬の量を決めます。この間に、食事療法や生活習慣、尿路管理などの教育が行われ、さらに尿酸コントロールの効果を上げていきます。
また合併症がある場合はその疾病の治療も併せて行い、虚血性心疾患や脳血管障害など生命をおびやかすような重篤な疾病が発症しないようにします。
尿酸降下薬は血液や尿中の尿酸量を測定して病型(産生過剰型か排泄低下型)を判断し、それに合ったものを選択します。
投与は少量から始め、3~6ヶ月かけて徐々に増やしていき、薬の量を決めます。この間に、食事療法や生活習慣、尿路管理などの教育が行われ、さらに尿酸コントロールの効果を上げていきます。
また合併症がある場合はその疾病の治療も併せて行い、虚血性心疾患や脳血管障害など生命をおびやかすような重篤な疾病が発症しないようにします。
そもそも日本には最近まで痛風という病気の認識がありませんでした。
しかし世界的には歴史が古く、紀元前3500年のパピルスにも記録が残っているほどです。紀元前300年ごろに活躍したあの有名なアレキサンダー大王もかかっていたといわれています。
ところが1960年代以降、高度経済成長とともに日本人の食生活は野菜や炭水化物中心から高たんぱく、高脂肪、高カロリーへと変化し、それに併せるかのように痛風患者も増加していきました。
今では誰しもがかかる可能性のある身近な病気といえます。