1型糖尿病の原因は、遺伝や環境が原因とも言われていますが、はっきりとはわかっていないというのが現実です。
2型糖尿病の主な原因は、内臓脂肪の増加や運動不足による肥満であるといわれています。肥満以外にも遺伝や環境、ストレス、加齢、食べすぎなども原因といわれています。
2型糖尿病の主な原因は、内臓脂肪の増加や運動不足による肥満であるといわれています。肥満以外にも遺伝や環境、ストレス、加齢、食べすぎなども原因といわれています。
- のどが渇く:大量のブドウ糖を排出するため尿の量がふえると、からだの水分が失われてのどが乾きます。
- 食べているのに痩せてくる:食べてもブドウ糖が正常に利用されずに、慢性的なエネルギー不足になるため食べているのに、やせてきたと感じます。
- 尿の量が増える:大量のブドウ糖を尿として排出しようとするため、尿の量、尿の回数ともに増えます。
- だるい 疲れやすい:インスリンの作用不足でブドウ糖を利用できず、活動エネルギーがたりないため、だるく、疲れやすくなります。
- 空腹感が強い:ブドウ糖が正常に利用されないため、エネルギー不足を補おうと、空腹感がつよく、大食するようになります。
- 早朝空腹時血糖値 126mg/dl以上
- 75g糖負荷試験(OGTT)で2時間値 200mg/dl以上
- 随時血糖値 200mg/d以上
- HbA1c値 6.5%以上」([JDS値] 6.1%以上)
平成22年7月から糖尿病の診断基準では血糖値とHbA1cの両方が糖尿病型であれば、1回の検査でも糖尿病と診断する。とされ早期発見、早期治療につながる。
「血糖値のみ糖尿病型」の場合は、糖尿病の典型的な症状や確実な糖尿病網膜症のいずれかが認められる場合は糖尿病と診断できる。
糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症を3大合併症と呼びます。
糖尿病に特有の合併症で、血糖コントロールをしないでいると、糖尿病発症時から10~15年でこれらの合併症が出てきます。
糖尿病に特有の合併症で、血糖コントロールをしないでいると、糖尿病発症時から10~15年でこれらの合併症が出てきます。
- Ⅰ.糖尿病神経障害:血糖の高い状態が続いていると、まず手や足先の神経から障害がおこります。
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症状としては、手足のしびれや痛み、足先の異常な冷え、足底部が皮をかぶった感じ、砂利の上を歩いているような感じといったものがあります。
これらの症状は比較的軽いため放置したり、市販薬で治療する患者さんもいますが、この段階で適切な治療を受けないと症状はどんどん悪化して、全身の筋肉が萎縮、顔面神経麻痺、便秘や排尿障害、立ちくらみ、インポテンツといった症状がおこってきます。
さらに進行すると、症状はますます重くなり手足のしびれや痛みのために夜眠れない、火傷や靴ずれに気がつかず放置していたために細菌感染をおこし、その部分の組織が一部死んでしまう状態の壊疽(えそ)にまで発展することもあります。ひどくなれば足を切断することにもなります。 - Ⅱ.糖尿病性網膜症:原因は糖尿病による血管の障害です。糖尿病になると網膜の毛細血管がもろくなり、出血や血栓(血の塊)ができやすくなります。
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血管に出血や血栓があると、そこから先の網膜には血液の流れが悪くなります。
目のフィルムにあたる網膜の血管に障害が起こると、初期の頃には自覚症状はほとんどありませんが、進行すると黄斑部に異常をきたし、ものがゆがんで見えたり、ぼんやりと見えるようになったり目の前に蚊が飛んでいるような感じがすることもあります(飛蚊症)。
さらに出血を繰り返すと、網膜上に増殖組織が生まれて網膜を無理矢理引っ張り、網膜剥離の原因にもなります。
また、網膜の血管に大量の出血があると目の前が真っ赤になったと感じることがあります。最悪の事態では失明することもあります。 - Ⅲ.糖尿病腎症:糖尿病のコントロールが悪いために、高血糖が10年以上継続すると全身の動脈硬化が進行し始めます。
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腎臓に病気が及ぶとタンパク尿が出始め、ネフロ-ゼ症候群を呈する場合もあれば、慢性腎不全に至る患者さんも出てきます。
糖尿病性腎症は透析を始める患者さんの原因第1位で、5人に2人は糖尿病性腎症の患者であることから、大きな問題となっています。
原因ははっきりしています。糖尿病であっても血糖さえきっちりコントロールすれば、腎症は予防できます。
一方、タンパク尿(検尿の試験紙で確認できる)が出始めた患者さんに腎生検を行うと、かなり病変が進んでいることがほとんどで、進行をある程度遅らせることは出来ても、もとに戻すことは困難です。できるだけ早く発見する事が重要ですが、その指標の1つに微量アルブミン尿があります。
微量アルブミン尿とは、検尿テープでは尿蛋白は陰性の時期に、テープより感度の高い特殊な方法で調べ、アルブミンという蛋白が正常よりたくさん出ている場合を言います。
微量アルブミン尿の時期には血糖を厳密に管理することによって、腎症が治る可能性があることから、糖尿病の患者さんにとっては大変重要な時期です。
この時期を通り過ぎて腎機能も低下すると、いくら血糖を管理しても腎症は進行すると言われています。もちろん、血糖のコントロールが甘いとさらに急速に進行します。
ⅰ)食事療法:糖尿病と診断されてしまったら、日常の生活強度に合った食事をする必要があります(食事療法)
食べてはいけないものはありませんが、自分にあった分量の食事で、必要とするすべての栄養素をとるように工夫します。バランスのとれた食事になるので、家族と一緒に食べられます。1日に食べる量は、目安としては、次のとおりです。
総エネルギー量 = 標準体重 × 仕事別消費カロリー(標準体重1kgあたり)
事務職、主婦 | 25~30kcal |
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中程度(製造・販売業、自営業の主婦など)の労働に携わる人 | 30~35kcal |
重労働(農・漁業、建築業など)に携わる人 | 35kcal |
「糖尿病食事療法のための食品交換表」に、詳しい方法が紹介されています。
ⅱ)運動療法
- 1)ひとりでできる運動を選び、毎日同じだけ行う
- 毎日のことなので、場所を選ばず、いつでもどこでもできる運動を選びましょう。もし毎日が無理でも、2日に1日は行います。
- 2)ウォームアップとクールダウンを
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運動は1日30分が目安で、朝晩2回に分けてもかまいません。運動を行うときは、ゆっくりスピードを上げて(ウォームアップ)、終了時はゆっくりスピードを下げていきます(クールダウン)。
ウォーキングにする場合、1回15分~20分を目安にして、1日1万歩を目安にしてもいいでしょう。 - 3)運動の強さは、きつすぎず、楽すぎず
- 「少し汗ばみ、隣の人とラクに会話ができる程度」が運動の強さの目安です。運動の後、とても疲れてしまうようなら、セーブしましょう。
- 4)食後1~2時間後に行う
- こうすると、食後の血糖上昇が抑えられます。
- 5)運動日誌をつける
- 運動習慣を身につけるためと、運動によって体調が悪くなることを防ぐために、最初は日誌をつけましょう。
ⅲ)薬物療法
- 1)内服薬について
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最近いろいろな種類の薬が出てきています。血糖を下げる薬、糖分の吸収を遅らせる薬、インスリンの働きを良くする薬などです。
作用の弱い薬から強い薬まで色々あり患者さんの糖尿病の程度により医師が処方します。
しかし、食事療法が基本であることは、忘れないで下さい。また、インスリンの代わりになる薬はまだ出来ておりません。糖尿病がひどくなればインスリン治療が必要となります。 - 2)インスリン治療について
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糖尿病はインスリンの作用不足で起こる病気ですから、インスリンは有る意味で糖尿病の特効薬であると言えます。
インスリンは内服では腸で分解され効果がなくなりますので、現在のところ注射療法しかありません。
しかし、最近のペン型注射器は非常に扱いやすく、細くて短い針を使用しており、注射の際の痛みも非常に少なくなっています。
合併症が起こる前にインスリン治療を開始し血糖のコントロールを良くすると、合併症を予防出来ます。
糖尿病になると、ブドウ糖がエネルギーを必要としている細胞の中に運ばれなくなり、血液の中にあふれてします。
どうしてそのようになるのかといえば、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが足りなくなり、うまく細胞に作用しなくなるからです。
インスリンは、体の中で唯一血糖を下げるホルモンで、食後に血糖が上がらないように、調節する働きがあります。
また、血液中のブドウ糖を体の細胞に送り込んでエネルギーに変えたり、脂肪やグリコーゲンに変えて、エネルギーとして蓄えておくようにする働きがあります。
ブドウ糖をコントロールしているインスリンが不足したり、うまく作用しないとブドウ糖が細胞に取り込まれなくなり血液中のブドウ糖が使えなくなってしまいます。
そのため、血糖値が上がってしまい、そして、筋肉や内臓にエネルギーが運ばれないため、全身のエネルギーが足りなくなってしまいます。
つまり、インスリンが膵臓から分泌されない、またはその量が不足している、分泌されているのに十分に作用しないなど様々な原因で慢性的に高血糖になるのが糖尿病です。