星状神経節ブロックとは
星状神経節は首の付け根付近にある頚部の交感神経節である星状神経節およびその周囲に薬液を注入することにより、星状神経節、頚部交感神経幹、交感神経節の節前、節後線維を遮断するブロック法です。その結果、支配領域である頭頚部、顔面、上肢、上胸部に効果をもたらします。神経ブロック療法の中では最もポピュラーな方法といえます。
所要時間: | 30分 |
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適応疾患: | 頭部、頚部、上肢、上胸部の疾患で交感神経を抑えることで痛みが緩和する疾患(交感神経依存性疼痛)、血流改善により治療効果の得られる疾患を対象として星状神経節ブロックを行っております。 具体的な適応疾患は頚椎疾患(むち打ち、頚肩腕症候群、頚椎ヘルニア、変形性頚椎症、頚椎手術後痛)、胸郭出口症候群、神経損傷後の疼痛、 突発性難聴、顔面神経麻痺、帯状疱疹後神経痛などです。 星状神経節ブロックを世に広め、故田中角栄元総理大臣の顔面神経麻痺の治療を担当した若杉文吉先生は「星状神経節ブロック療法により、視床下部を正常化 し、自律神経バランスを整えて治癒に至る」と考え、本態性高血圧症や腰部脊柱管狭窄症などにも星状神経節ブロックをすすめていたようです。星状神経節ブロックはブロック療法の中でも非常に興味深い治療法といえます(参考資料)。 私の経験でも、頚椎症や帯状疱疹後神経痛で星状神経節ブロックを施行している女性の患者様から「生理痛が軽くなった」「花粉症が治った」「原因 不明の湿疹が治った」、高齢の患者様から「風邪をひかなくなった」「身体の調子がよくなった」と言われることは少なくありません。 若杉先生の言われるように星状神経節ブロックには免疫、内分泌を介した生体の恒常性維持調節機能があるのかもしれません。 |
治療の流れ: |
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硬膜外ブロックとは
脊髄の周りは硬膜という膜に覆われています。その外側にあるスペースが硬膜外腔です。硬膜外ブロックは、硬膜外腔に局所麻酔薬を注入すること により脊髄神経、交感神経を遮断する方法です。脊髄や神経に針先がふれることはないので、強い痛みを伴う治療法ではありません。硬膜外ブロックは顔面を除 く頚椎・胸椎・腰椎・仙骨神経支配領域部位の除痛を選択的に得ることのできるブロック治療です。
所要時間: | 60分 |
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適応疾患: | 頚部)頚椎椎間板ヘルニア、頚部脊柱管狭窄症、むち打ち症、変形性頚椎症、胸郭出口症候群、慢性の頚部、肩、肩甲部の痛みなど 胸部)胸椎椎間板ヘルニア、胸椎捻挫など 腰部)腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、慢性腰痛、骨粗鬆症による腰痛、ギックリ腰、坐骨神経痛、大腿神経痛など 頚・胸・腰部)帯状疱疹、神経損傷後の疼痛など |
治療の流れ: |
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神経根ブロックとは
椎間孔を通って脊柱管外に出た脊髄神経を神経根と呼び、神経根およびその周囲に局所麻酔薬とステロイド薬の混合液を注入するブロックを神経根ブ ロックと呼びます。頚椎椎間板ヘルニアなどの主に一本のみの神経根が障害されている場合に行われます。治療効果を期待できるほか、羅患枝(痛みの原因と なっている責任神経根)の診断としても用いられ、同時に行う造影によりさらに詳しい病態を映しだすことができます。最近ではX線透視を用いずに超音波ガイ ド下に施行する方法も行われつつあります。当院では神経根パルスRF法など長期間の効果を期待できるものも施行しています。
所要時間: | 60分 |
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適応疾患: | 神経根痛(椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、すべり症、圧迫骨折、変形などによる)帯状疱疹後神経痛、複合性局所疼痛症候群 |
治療の流れ: |
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三叉神経ブロックとは
三叉神経ブロックとは主に顔面の知覚を司る三叉神経を三叉神経節(ガッセル神経節または半月神経節)から末梢にいたるいずれかの部位で遮断する 手技です。当院では患者様への適応を検討した上で局所麻酔薬より長期的な効果が期待できる三叉神経高周波熱凝固法を施行しております。
所要時間: | 30分 |
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適応疾患: | 特発性、症候性三叉神経痛耳介側頭神経ブロックは片頭痛、群発頭痛による側頭部痛に効果が期待できます。 |
治療の流れ: |
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後頭神経ブロックとは
後頭神経ブロックとは、頚椎の上部から後頭部に広がる後頭神経に対し薬液を浸潤させるブロック療法です。主に頚部痛、筋緊張性頭痛など治療に用います。このブロックで使う局所麻酔薬の効果は2~3時間ですが、痛みの悪循環を解消することにより長期間の鎮痛を期待することができます。ブロック療法の中でもリスクの低いブロックであるため繰り返し行い頭痛などのコントロールを行うことができます。
所要時間: | 15分 |
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適応疾患: | 頚椎症、頚椎椎間板ヘルニア、帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛、胸郭出口症候群、上肢CRPS(complex regional pain syndrome)、上肢の血行障害などによる上肢の急性期および慢性期の疼痛に対する治療、リハビリテーション施行時の痛みの軽減 |
治療の流れ: |
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肩甲上神経ブロックとは
肩甲上神経ブロックは、肩甲切痕もしくは棘上窩を走行する肩甲上神経周囲に局所麻酔薬を注入することで肩関節やその周囲に生じる痛みを緩和する治療法である。その有効性は広く知られており、除痛効果の持続を期待して高周波熱凝固法などと組み合わされることもあります。
所要時間: | 15分 |
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適応疾患: | 頚腕症候群、肩関節周囲炎、外傷・骨折・脱臼後の肩関節痛、胸郭出口症候群および類似疾患、関節リウマチを含む関節炎、悪性腫瘍の浸潤 |
治療の流れ: |
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腕神経叢ブロックとは
腕神経叢ブロックとは、頚椎から出脊髄神経が腕神経叢を形成する部位に薬液を注入する治療法です。このブロックにはブロックを施行した側の体性 神経および自律神経の遮断効果があり頚部から肩、上肢の痛みや血行障害を改善することができます。当院ではX線透視下、エコーガイド下で鎖骨上窩法、斜角 筋法で施行しています。
所要時間: | 30分 |
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適応疾患: | 頚椎症、頚椎椎間板ヘルニア、帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛、胸郭出口症候群、上肢CRPS(complex regional pain syndrome)、上肢の血行障害などによる上肢の急性期および慢性期の疼痛に対する治療、リハビリテーション施行時の痛みの軽減 |
治療の流れ: |
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肋間神経ブロックとは
肋間神経ブロックとは、胸神経前枝である肋間神経が肋骨下縁で走行するスペースに局所麻酔薬や神経破壊薬を注入することで、胸腹部や背部の痛みを緩和するコンパートメントブロックです。薬液以外にも肋間神経近傍に高周波熱凝固を用いてブロックを行うこともあります。
所要時間: | 60分 |
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適応疾患: | 肋間神経が障害を受ける帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛、肋骨骨折などの外傷、開胸術後痛、胸椎椎間板ヘルニア、黄色靭帯骨化症、がんの肋骨転移 |
治療の流れ: |
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大腰筋筋溝ブロックとは
大腰筋筋溝ブロックとは、大腰筋と腰方形筋の筋膜間の間隙に局所麻酔薬単独あるいはステロイド薬混合液を注入し、腰神経叢および仙骨神経叢の1部をブロックすることにより腰下肢痛に効果を示す神経ブロックです。当院ではX線透視下で確実に薬液を注入しています。
所要時間: | 60分 |
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適応疾患: | 腰下肢痛(腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、変形性腰椎症などによる)、股関節痛、下肢の急性帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛、手術後痛、血行不良、がん性疼痛、股関節から膝関節の骨折痛 |
治療の流れ: |
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椎間関節ブロックとは
椎間関節ブロックとは脊椎椎間関節に針を刺入し局所麻酔薬とステロイド薬の混合液を注入する神経ブロック法です。厳密にいえば神経ブロックでなく関節内注入法です。このブロックは椎間関節痛の原因となっている部位が診断できるほか、痛みの緩和が得られます。効果が短時間の場合には後枝内側枝高周波熱凝固法の適応となります。
所要時間: | 60分 |
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適応疾患: | 変形、狭窄症、圧迫骨折などによる椎間関節由来の疼痛 |
治療の流れ: |
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腰部交感神経ブロックとは
腰部交感神経ブロックとは、下肢を支配する交感神経をブロックし、下肢の血行改善、発汗停止、交感神経求心路が関与する痛みを緩和させることを 目的に行われるブロックです。近年、下肢痛を伴わない腰痛で神経根由来でない腰痛(非髄節性腰痛)に対しても腰部交感神経ブロックは有効であると言われています。なお長期間の効果を期待し腰部交感神経節高周波熱凝固法を施行する場合もあります。
所要時間: | 90分 |
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適応疾患: | 腰部脊柱管狭窄症、閉塞性動脈硬化症、バージャー病、糖尿病性神経障害および壊疽、帯状疱疹後神経痛、反射性交感神経性ジストロフィー |
治療の流れ: |
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不対神経節ブロックとは
不対神経節ブロックは、仙骨と尾骨の接合部に位置する神経節でありこの部位に局所麻酔薬を注入することで痛みを緩和する治療法です。その有効性 は広く知られています。また当院では除痛効果の持続を期待して高周波熱凝固法を用いています。ちなみに国内で一番最初に不対神経節ブロックを論文にまとめたのは院長の岸です。
所要時間: | 60分 |
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適応疾患: | 骨盤内悪性腫瘍、直腸がん術後の旧肛門部痛、痔核根治術後の持続性肛門部痛、外傷性肛門部瘢痕痛、難治性肛門部痛、難治会陰部痛 |
治療の流れ: |
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トリガーポイント注射とは
トリガーポイント注射とは筋・筋膜性痛症候群や他の疾患から二次的に筋の緊張が生じて痛みを有する場所(トリガーポイント)へ局所麻酔薬などの薬液を注入することにより痛みを軽減させる手技です。比較的容易で治療効果の高い治療方法です。
トリガーポイントとは
トリガーポイントとは、圧迫や針の刺入、加熱、冷却などによって関連域に関連痛を引き起こす体表上の部位です。すなわち患者が指摘する最も凝り(コリ)の強い部位、ないしは痛みが存在する部位でかつ圧迫により痛みが放散する部位です。トリガーポイントの特徴としては
- 索状硬結上に限局した圧痛部位の存在
- その部位への刺激により症状の再現性があり典型的な関連痛が出現すること
- 刺激により立毛、発汗などの自律神経反応が出現すること
- 局所単収縮反応や逃避反応(ジャンプ徴候)が発生し単なる圧痛点とは異なる
所要時間: | 15分 |
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適応疾患: | 注筋・筋膜性疼痛症候群(筋肉、筋膜が原因の疼痛)、頚椎、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、むち打ち症、顎関節症、寝違え、複合性局所疼痛症候群 |
治療の流れ: |
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